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画像検査は認知症の診断に役立ちます。画像診断には、脳の形を調べる形態画像診断(CT、MRIなど)と、脳の機能を調べる機能画像診断(脳血流SPECTなど)の二種類があります。 |
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(画像提供:公立大学法人福島県立医科大学 生体機能イメージング講座 主任教授 松田 博史) |
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1 形態画像診断 |
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CTやMRIは、脳の中の構造を見ることができます。脳の断面図をとり、脳が萎縮していないか、脳出血・脳梗塞・脳腫瘍などの病気がないか等、主に、脳の形態を診るのに使われます。 |
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CT(シーティー)検査(コンピュータ断層撮影) |
CT検査は丸い筒の中に頭を入れて行います。筒の中から患者さんの頭の周りを一周するようにエックス線を照射します。頭を透過したエックス線をコンピューターで計算すると、頭を輪切りにしたような画像になります。 |
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A,B,C,Dの順に下から上に輪切りになっています。
周りの白い部分は骨、灰色の部分が脳で、真ん中の黒い部分は脳脊髄液の入っている脳室です。 |
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頭の周りに専用のコイルを装着して、トンネル状の空洞内に入ります。磁力を使って脳の細かい形態を調べます。CTと同じように、頭を輪切りにしたような画像になります。水平方向だけではなく、垂直方向など、いろいろな撮り方ができます。 |
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AはT1強調画像(CTと同じように脳は灰色で、脳室は黒く見えます)、BはT2強調画像( T1強調画像を白黒反転したように見えます)、Cはフレアー画像(T2強調画像と異なり、脳室が黒く見えます)です。
A,B,Cの画像はCTのBと同じぐらいの部位の断層像で、Dは垂直方向のT1強調画像です。 |
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(画像提供:公立大学法人福島県立医科大学 生体機能イメージング講座 主任教授 松田 博史) |
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2 機能画像診断 |
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SPECT(スペクト)検査(単一光子放出コンピュータ断層撮影) |
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SPECT検査は脳の血流状態を画像にして見ることができます。脳の機能が低下している部分は、脳の血流が低下しています。 |
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この検査は、患者さんにラジオアイソトープで標識した、つまり“目印”をつけたくすり「放射性医薬品」を投与(静脈注射)することから始まります。
しばらくして、投与された放射性医薬品が目的とする臓器や組織に集まったところを、放射性医薬品から出されるガンマ線を検出するガンマカメラで体外から撮影します。 |
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ガンマカメラはガンマ線を写す機械です。
X線撮影とは違いガンマカメラから放射線は出ません。 |
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脳血流SPECTでは、脳の血流が多いところに多く、少ないところには少なく集まるくすり(放射性医薬品)をつかいます。
このくすりは、脳の血流に応じて脳の組織に取り込まれるため、血流障害がある部分には集まりません。
SPECTは、くすりの集まり具合を輪切りの画像(断層画像)として表します。直接、血流の状態を調べるので、萎縮などの形の変化がまだ見られない初期の段階でも異常がわかります。 |
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